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佐伯大橋を渡り、県道37号を青山方向に走る。 |
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県道37号を青山まで走る。道路改良工事が効を成して、道はすこぶる走りやすい。
義父がぼそっと話してくれた。
「最近は青山でも（交通）取締りをしよる」
かつて青山は難所につぐ難所だったと義父は語る。
「大雨の時に佐伯に出たら、蒲江までもどれんごとなって往生したこともある。雨の中、佐伯に戻るのはつらかった」
風来坊が蒲江の地下（じげ）に住んでいたころは、青山はこんなによい道ではなかった。バイクで走るのが最適という道だった。当時はバイクに乗っていなかったのでうねうねとした通りにくい道だった。あれから１０数年、いい道になったものである。 |
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道が狭くなったら、青山簡易郵便局の標識に注意する。その先に黒沢ダムまでの分岐がある。若山谷林道は、黒沢ダムの近くに広がる国有林林道である。 |
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県道から市道を黒沢ダムに走る。 |
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道は細くなり山の中に入る。 |
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黒沢ダム管理事務所に至る。ダム事務所の分岐に、冒険心を掻き立てるものがある。 |
| 林道ライダーのために作ってくれたのではないかと思える標識である。今回は、若山谷林道にバイクを向ける。 |
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ダムの上を渡る。下を覗き込むと...。これは気持ちがよい。風が下から吹き上がってくる。
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渡りきったら分岐を左折。ダートが始まる。ここはまだ林道ではない。佐伯市道「若山谷線」である。 |
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ダムに沿って走る。風が気持ちよい。対向車両はない。もっともこんな夕方に走る車もないだろう。 |
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林道の入り口である。ここから若山谷林道は始まる。そばに警告があるので熟読する。 |
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ここまでは、佐伯市青山の市道である。これからは国有林の中を走る専用林道である。何がおきても責任は負わないということを理解する。もしかしたら、ここからは救急車を要請しても来てくれないかもしれない。 |
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幅員は４ｍほどだろうか。アスファルト舗装である。気持ちのよい林道である。林道標識に幅員や延長の表示がないのでミステリーである。前に走った経験から考えると１０キロほどの林道だったと思う。 |
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おや水溜りだろうか。雨が降ったわけでもないのに？
ゆっくり近づく。 |
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泉だった。林道のすぐ横に泉があった。 |
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山々が蓄えた水が濾過されてここに現れたのだ。夜になったら、ここは獣達の水のみ場となるのだろう。 |
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手をつけるとしびれるほど冷たい。思わず口にしたい衝動にかられるが、見ると小さな昆虫が泳ぎまわっている。これは飲めない。手をつけしばし涼む。暑い時にしびれるほど冷たい自然の涼。いいものだ。 |
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しばらく涼んだので、出発といこう。
橋を越え林道は山の中に続いていく。 |
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林道であるが、ガードレールはしっかり設置されており走りやすい。国有林の林道は、他の市町村林道より規格が上なのだろうか。周りはうっそうとした木々が茂り、自分の位置も分からなくなりそうな感じである。若山谷林道は、このまま奥まで走って終わりになる。林班の管理上、一本の林道では管理に支障がでるようで支線林道を設けたという話を耳にした。若山谷林道２１支線というそうだ。 |
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しばらく走ると「水源かん養保安林」という看板が現れた。涵養保安林と書けばいいのだが、お役所の漢字の使い方で、こうなるのだと聞いた。なんとも不自由なことだ。ここで「風来坊」は迷ってしまう。分岐発生である。 |
 
左はダート。右はアスファルト舗装。アスファルトの方をチョイスである。
しかし、左側、なんとなく支線っぽい。時間があったらもぐりこんでみよう。 |
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更に林道を走る。木々は深く見通しはよくない。 |
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おや？金属の橋がかかっている。林道に金属の橋とは興味を引かれる。川向こうにあるのは、なんだろう。神社のような、作業小屋のような感じの建物が確認できる。画像がぶれているので掲載できないが、不思議な建物だった。 |
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林道は川に沿うように延びていく。 |
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あたりが開けた。木々の中を走るのも楽しいが、やはり開けたところがうれしい。赤い光が映りこんでいるが、これはカメラの都合である。不調なのだ。 |
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何かの建物が林道脇に立っている。工事の道具入れのようだ。ちょっと休憩といこうか。カメラの調子もあまりよくない。ちょっと調べたいところだ。画像にもやがかかっているが、これは不調のせいである。決して心霊なんてものではないと思う。 |
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暑さのあまりに調子がおかしくなったようだ。点検後、橋を渡り走り始める。 |
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木々の間を走る若山谷林道。同じような景色が続く。 |
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開けた場所に出た。ここに細い標識が立っている。なんだろう。
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林班の区分表示だった。
さすが国有林。きちんと管理している。ここから１１６林班に入るらしい。 |
ふっと背後が気になり振り向くと、きれいに植林された斜面が陽に照らされていた。気持ちのよい景色である。
さあ、バイクを進めよう。
しばらく走ったところでカメラが沈黙した。シャッターボタンを受け付けないのだ。とうとう逝ってしまったらしい。撮影の旅なので、これからカメラなしで走るのは意味がない。
とりあえず、帰って修理に出すことにしよう。
若山谷林道の旅はここまでである。次回は１１６林班の入り口からスタートしよう。
残念な旅になった。
「リベンジ 若山谷林道は ここから どうぞ。 |
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