改造にかかる注意 ICOM IC-P7型アマチュア無線機を我流で改造するため、どの無線機にもこの記述が当てはまるとは言えない。失敗して主宰に責任を求められても...。これは技術資料であるので、改造は自己責任でどうぞ。 ICOM IC-P7カタログは ここから どうぞ。(ICOM japanに接続します) ICOM IC−P7 取扱説明書は ここから どうぞ。(ICOM japanに接続します) |
|
|
|
|
|
|
IC−02Nの大きさがつかめない方、これではどうだろう。100円ライターである。大きさのほど、わかっていただけただろうか。 |
|
購入したIC-P7には、結構な付属品があった。充電器も付属しているのだ。購入時には充電がされていないので、しばし充電させよう。 |
|
さて、充電が完了したので電源ONである。 この無線機、電源を入れると自分のメーカー・品番を表示する。 |
|
しかもタイプで打つがごとく表示する。 |
|
このまま使ってもいいのだが、受信範囲が現状ではちょっと狭いらしい。広帯域受信ができるようなのだが、受信できない周波数があるらしい。改造で広くできるらしいが有料と聞いた。 改造が有料だって? 主宰の改造魂に火がついた。じゃあ、自分で改造しようではないか。資料は無いが、改造魂でなんとかなる! メーカーからは当然改造情報はいただけない(無線屋ならOKとも聞くが、電気屋には落ちてこない)、これからの情報は「風来坊的技術情報」ということで理解をしてほしい。なお、改造すると「技適」の適用は受けることができないので、よく考えて自己責任でお願いしたい。 |
|
購入時のスペックである。 0.495〜252.895MHz、255.100〜261.895MHz、 266.100〜270.895MHz、275.100〜379.895MHz、 382.100〜411.895MHz、415.100〜809.890MHz、 834.100〜859.890MHz、889.100〜914.890MHz、 960.100〜999.990MHz ICOM HPから引用 この状態を改善するのだ。改造がうまくいくと受信周波数範囲が、0.495〜999.990MHzになる。当然のことながら送信範囲は変わらない。 |
|
IC-P7を手術台の上に乗せる。 ここで無影灯や助手として、かわいいおねーさんがいるといいのだが、そんな恵まれた環境はない。さあ、始めよう。 |
|
改造場所を探す。多分、本体をあけることになるだろう。先の細いドライバや、Wの低い無線機修理用半田ごてなどを用意する。本体電池ケース側から外そう。電池ケースというが、この機種は専用の充電地を装備している。「1800mAhの大容量Li-ion電池」と銘打つBP-243バッテリーである。 |
|
背部のケースをはずすと充電池が出てくる。この形、どこかで見たような気がする。たしかビデオカメラに使われていなかったか?? |
|
実はこのLi-ion電池、ICOMの番号は振られているが、メーカー独自品ではない。コダックのKLIC-5001とコンパチブルなのだ(ICOMはフルコンパチブルとは言っていないので使うときは自己責任であることは言うまでも無い)。KLIC-5001には同等品があり、安価で入手することができるほか充電器も汎用のものが使える。何本も充電池を持っていく必要がある山歩きには便利だ。こういう割り切り方をするICOMは好きだ。 |
|
さて、改造である。本体を開ける覚悟だったが、赤い四角の部分を見てほしい。なにやら銀の金属テープが貼っているのがわかるだろうか。これは怪しい。専用の筐体を使うのだから、塞がれている部分などあってはいけないのだ。 |
|
金属テープなので、先のとがったドライバーなどではずすことができる。 |
|
テープはこんな感じに剥がれる。 |
|
ぽっかりと開いた筐体の穴。中にはランドが4つ並んでいる。そのひとつにチップ部品がついている。怪しすぎである。 |
|
4つランドが並んでいるので、唯一左についているチップを外す。昔からICOMさんの無線機はダイオードマトリクスで周波数を制限していた。多分、間違いないだろう。 |
|
チップを取り外したランド。4つ並んでいる。主宰は、無線機用の半田ごてを使ったが、汎用の半田ごてを使う方はリークに十分注意をしてほしい。CPUに直結しているランドにリーク電流が流れると、しゃれにならない。 一番左のランドにチップはついていた。もし間違いがあってはいけないので、チップ部品は保存する。 |
|
さて、実証だ。充電池を背負わせる。 電源ON。大丈夫なようだ。さて、周波数帯域ぎりぎりに周波数をセットしよう。改造は成功しているだろうか。379.8875MHzの次は??? |
|
周波数のダイヤルを回したら...。 えーと。あれ? 380MHzにならずに382.100MHzになってしまった。改造できていない。このあたりの周波数はコードレス電話が使用しているので、ブロックされているらしい。まあ、聞くものでもないので制限があっても問題はないのだが、他の周波数も変化は無い。 これは困った。本体を開けなければならないようだ。チップ部品をもとに戻すのは大変かもしれない。 |
|
インターネットを探してみると、実は改造には続きがあった。 コマンド入力である。 「FUNC」「BAND」「SQL」ボタンを押しながら電源ONである。 筐体が小さいだけに、これは難しい。 出典である。ここから。 YAHOO知恵袋に書かれている情報が役立った。さすがYAHOOである。 |
|
すべての表示が点灯する。このまま待っても変わらないので、手を離すとICOM、そしてIC-P7と表示して...。 |
|
145.000MHzに周波数が戻ってしまった。これでいいようだ。さっそく380MHzを表示させてみよう。 |
|
379MHz帯からダイヤルを回しても382MHz帯に移らずに380MHzになった。 改造完了である。一瞬ひやりとしたが、結構楽しめる改造だった。 |
|
充電池を外して改造箇所に金属テープを貼ろう。きちんと元に戻して仕事は終わりである。いい仕事はきれいなのだ。 |
|
完了。満足な仕上がりだ。これで受信改造は終了だ。 |
|
なお、取り扱い説明書にあるオールリセットを行うと、CLEARという表示が出てもとの周波数範囲になる。重要な無線を傍受したくない場合は、ここでもとに戻せばよい。なお、コマンド入力で、再度電源を入れると周波数が拡大するので、半田ごてはいらない。 ピッとなったらリセット完了である。 以上で受信改造マニュアルは終了だが、おもしろい流用を発見した。なんと、IC-P7と特定小電力無線機のIC-4077Sが同一筐体を使っていたのだ。充電器も流用である。金型を新たに起こさずに製品を作る。さすがICOMではないか。なお、使い勝手から見るとIC-4077Sが先行機種のようである。 IC−4077Sサイトはここから l |
|
使い勝手であるが、小さいということは、大概の欠点を吸収してくれる。いただけない部分もあるが、使い勝手はマルである。受信のみだと、おそろしく電池のもちが良いのは特記すべき項目かもしれない。鉄塔に登って、アンテナ作業したあとに聞くATISなんてちょっと洒落ていていいかもしれない。以上でICOM IC-P7 「風来坊」的受信改造マニュアルを終わる。 |